FE 85mm F1.4 GMⅡ を星空でテストする
SONYから新しいEマウント中望遠レンズが登場した 夏の延長戦が延々と続くような9月は、とうとう澄んだ星空には出会えなかった。上の写真は10月1日の撮影。見て分かる通りの、靄に包まれた空気が下から押し寄せてくる様子が見て取れる。撮影時間帯は街明かりの影響が収まりつつある頃を見計らっている。またSCW気象予報によると北から雲が押し寄せる予報。さらに夜明け前の東天には紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3 Tsuchinshan-ATLAS)が現れるが、残念ながら山間狭隘の揖斐谷では見ることはできない。美濃平野部にまで移動する必要があるため、やむを得ず短時間の1枚撮りのみ。 レンズ型番の通り、FE 85mm F1.4 G が第2世代へと生まれ変わった Gマスターレンズ1型と比較して20%の軽量化が図られたのみならず、最新の光学設計で高解像度での画質の向上も著しいという。1型同様の柔らかなボケはポートレート撮影で威力を発揮するだろうし、このレンズを星空撮影で使おうとする人は少ないかもしれない。が、ここでは星空撮影で少しだけテストした結果を示したい。結論としては、優秀なレンズは星空撮影でも非常に優秀で、卓越した能力を発揮するといっても差し支えはないだろう 上の写真では写野の中央にM45プレアデス星団を配置している。注意深く写真を見ると、写野左端にカリフォルニア星雲が赤く見える。肉眼ではほとんど見えない星雲だが、写真では意外とよく写る 以下に等倍の切り出しを掲げる 繰り返しになるが、このレンズを星空撮影に使おうとすることはあまりないかもしれないが、星空撮影でもとても優秀なレンズだ。四隅でよく見られるサジタルコマ収差も非常に少ない。サジタルコマ収差は広角から超広角レンズになるほど目立つ収差で、このレンズのような中望遠では気になることは少ないかもしれないが、このレンズは特に優れていて、中央部分だけでなく四隅まで星像の点光源が点として撮影できる。このことは特筆に値する。ただし皆無ではないので、四隅に1等星などの輝星を配する場合には注意を要する 撮影データは以下の通り。加算平均コンポジット処理は行わず1枚撮りのまま。また開放のF1.4ではなく1段絞ってF2で撮っている。AdobeのCameraRawの現在の最新バージョンは バージョン 16.5。FE 85mm F1.4 GMⅡのプロファイルはまだ公開されていない ---------------------------------------------------- 85mm、ISO1000、f2、30秒、マニュアルWB、Raw 高感度NRはoff、長秒時NRはoff、赤道儀で恒星追尾撮影、揖斐谷 SONY α7M4 + FE 85mm F1.4 GMⅡ 2024年10月01日23時09分 |
↑ 写野の中央 |
↑ 写野の左上 |
↑ 写野の左下 |
↑ 写野の右上 |
↑ 写野の右下 |